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主の栄光教会インタビュー連載コラム_Vol.21

主の栄光教会ってどんな教会なんだろう?その答えは、教会に通う一人ひとりにあると考えます。教会を作っているのは、教会に通う一人ひとり。だからメンバーを知れば、その姿が浮かび上がってくるはずだと、連載コラムがスタートしました。教会の掲げるミッションとしてのSMART(Social・Motivative・ART)。そんなスマートな人たちの魅力に迫ります。

今回は数々の人生のドラマを語ってくれたメンバーの登場です。神様と共に生きるって奥深くて楽しく、そして一言で「いいものだ」と思わせてくれる時間となりました。

File.021 神戸理紗さん(40代)

もがくとしても次元を上げた
愛の回復を成してゆきたい。


―聖書を学ぶきっかけは人生について考えていたタイミングだったとお聞きしたことがあります。しかも人生について考えたのはもっと幼い頃からだったとも…!

そうなんです。実際に聖書を学ぶようになったのは大学院生の頃でしたが「なんで生きているんだろう?」と考えていたのは小学1年生の頃からでしたね。実際、家族は普通に愛情をかけて育ててくれていたので、そんな風に考えるのが家族に申し訳ないと思っていました。

―早熟ですね。

なぜ生きているのがわからないのなら、別に死んでもいいんじゃないか?と思って小学1年生の頃には車の前に飛び出したことも…。

―なんと!「スマートな人」史上、まれに見る深刻なインタビュースタートになってしまいました…。

笑)すみません!でも、深刻に人生に悩んで、というよりは、これじゃないならあれでもいいのかな?という感じで。生きる意味が分からないのならば、別に生きていなくてもいいのかな、という感じです。結局、車が直前でうまい具合に曲がってぶつかることができなかったんですよ。そこで「どうして生きるかはわからないけれど、それでも生きているということは、生き死を自分で決めてはいけないんだ」と実感したのを覚えています。

―ぶつかることができなかったって…。生きていてくださってありがとうございます!にしても、それは神様の働きを感じますね。

そうですね。その当時は、神様に感謝!とまではいかなかったですが、先の実感は大切な最初の悟りだったと思います。でも、その後も何を目標にして生きたらよいのかわからない…、という状況は続き…。そして中学生の頃に顕微鏡で気孔の細胞(葉の裏でパカパカ動いているあれです)を見て「生きてる…」と感動を受けたのをきっかけに生物分野での研究者の道を目標にするようになりました。

―いよいよ目標が!院では細胞の骨組みをつくる遺伝子の研究をされていましたよね。その分野にされたのも、生きることについて考えていた神戸さんならではですね。

そうだと思います。そして、人生の目標=研究と定めて、故郷の仙台から北海道へと単身やってきて、研究者として何か人の役に立つ発見をしたいと大きな野望を抱いていたわけです。それも今思えば、根本的には自分の生きている意味を見出したいという思いからだったと思います。

―なるほど、そうして単身やってこられた北海道大学の院生時代に聖書に出合ったと。

そうです。その当時、自己啓発本も読みましたが、これはその著者に該当するだけであって真理ではないと思いましたし、哲学にも触れましたが、これも哲学者について知ることにすぎないし、真理ではない、こうなったら真理があるのは宗教だろうと、般若心経の訳本を読むように…。

―そこから何かを得られましたか?

むなしい…、ということしか伝わってこなかったんです笑)これでは、今を生きるための知恵がない。その知恵がほしいのにっ!って。

―切実さが伝わってきますね笑)そこまで真理を求めていた背景にはどんなことがおありになったんですか?

人生の目標の研究がまさにうまくいかなかったことがあります。あれだけ意気込んでいたのですが、結果が出ない…。研究室も狭い世界ですし、このままじゃいけないと就職も考えて就活もしましたが、かなりの圧迫面接で「自分、生きてる価値あるのかな…」と思ってしまうような状況でした。

―なるほど、目標と定めたものが霧に包まれたようになったわけですね。

そして、今度はイスラム教の経典でも学んでみるか!というタイミングで院の同級生から聖書を勧められて。図書館に行き、自ら読んでみました。しかし、よくわからず、最初はやはりおとぎ話のようにしか感じられませんでした。同級生を通して聖書をちゃんと学ぶようになって目からウロコ!でしたね。

―準備されて聖書を学ぶようになられたんですね。

自分の霊について聞いたときに「まさにこれ!」という感じで。ああ、私の霊がこれまで渇望していたのね!と悟るしかなかったです。だから、聖書の話は面白くて実感も湧くので、多少、体のコンディションが優れない時でも御言葉を聞けばよくなるはず!と御言葉を聞きに行くような感じでした。

―実際にはよくなりました?

はい。霊が満たされて笑)、おなかもすいてきてご飯も教会のメンバーと一緒に食べて家に帰るみたいな感じでした笑)

―信仰がすでにその時からおありになった感じですね。

そうですね。聖書を学んで、主日礼拝にも参加するようになりましたが、最初に参加した礼拝の主題がまさに「信仰のしるし」というものでした笑)

―信仰をもつようになって、ご自身のなかで一番変化されたところはどのようなところですか?

やはり、愛の部分だと思います。私は、人に良く思われたい、いい人と思われたくて人に対して何かをする愛の次元でした。コップにちょっとしか水がないのに、与えようとするから枯渇して疲れていたんです。自分が満たされてこそ与えることができるのに。でも聖書の御言葉を通して、神様の愛を悟ってから、自分が本当の意味で満たされるようになりました。満たされるから与えることも頑張ってすることではなく、自然とできるようになった。でも、2人目を妊娠する前に2回の流産を経験して。その時はかなり落ち込みました。そして、神様に対しては恨むことはなかったですが、赤ちゃんを抱いているお母さんを公園などで見ると恨めしいような感情が湧き出てきたんです。

―真実な気持ちですね。

はい。正直に話しますが、その感情が湧いてきた時に自分はまだ周りの人を本当に愛する次元には至っていないのだと痛感するようになったんです。振り返ってみると、神様に対しては疑問などないですが、周りの兄弟姉妹(※ここでは肉親の兄弟関係のことではない)に対して比較や競争心、妬みのような感情がまだあったんですよね。心から人を愛せない自分に気づくようになってハッとしました。そこから多くの葛藤はありましたが「自分はもう子どもを産めなくても他の人の子どもたちも自分の子どもだと思って愛そう、神様の愛する存在だから。真実にその子たちのために生きよう」と心から思えた瞬間があったんです。何か吹っ切れたような感じがしました。そんな中で、教会のメンバーの結婚式に出るようになったんですが、その時、心から祝福して久しぶりに笑っている自分がいました。何か比較して惨めな気持ちになっている自分はもういなくて、そのメンバーは子どもじゃないんですけど、本当に神様の愛する存在として見ることができるようになっていることに気づきました。

―愛の回復がなされて次元を上げられたんですね。結婚式に出てそう思われたのは、ご自身の結婚の時にも愛の回復を経験されたから?

まさにそうですね。結婚するとき「神様に一生分愛していただいたからこの愛で十分です。もしこれから神様が何かしてくださらなくてもこれまで受けたもので十分だし、結婚せずに一人でも神様を愛して生きていきます」と祈って告白した後で、今のパートナーと出会って結婚するようになったんです。何か愛の部分で突き抜けた時に祝福がきましたね。神様が悟ってほしいと思われることを悟ったときに祝福を受けてきた気がします。

―なるほど。愛を悟るためのもがきの後に祝福を得てこられたと。結果、流産を乗り越えて、現在は3人の男の子のお母さんとして子育てに奮闘されていますもんね。

子育てというか、それは家庭を作るということだと思いますが、私は信仰なしにはできないと感じています。自分が信仰をもって人生で大事なことが何かを知ったからこそ子どもたちのありのままを受け入れようと努力できるように感じます。例えば何かができないとしても、神様のその子に向かう御心(計画)がどうなのかはわからない。本人がそのできないことで悩んだり、大変な思いをするかもしれないけれど、むしろそれを通して本人にとって大事なものを見つけることができる機会になるかもしれない。だから、自分の考えで子供を計らないように、神様にゆだねて子どもたちを信じることができるのは信仰があるからだと思っています。もがきはもちろんありますけどね笑)

―なるほど笑)、その通りだと思います。もがきや葛藤も現実には大いにあるかと思いますが、私も子を持つ母として頑張ります! さて、愛の回復のドラマをもう一つお聞きしてもいいですか?最近、がんを克服されたとお聞きしました。

克服というか、現在も3カ月おきに検査には通っていますが、今のところ問題なしですね。過去、おなかが痛くて気を失って救急車で2回運ばれるということがあったんですが、その時は検査をしても何も見つからず…。そうしているうちに、昨年の夏に再度倒れてさすがに精密検査を勧められました。授乳の関係で内視鏡はできないはずだったんですが、おまけで直腸だけ診てもらったらそこでがんが見つかることに。おなかの痛さも腸炎か何かと思っていたので、まさかがんとは…。多少医療に関わる仕事をしていたこともあり、写真を見てこれはやばいな、と一発でわかりました笑)がんの大きさは5センチ。さすがに死が頭をよぎりましたね。残される家族のことがやはり一番気になりましたが、不思議とそのタイミングで感謝が湧いてきたんですよ。

―投げやりに近い感じとかではないですよね笑)

違いますよ笑)本当に心から、今まで生きてきて十分だし、今死んでも悔いはない。しかも、信仰をもつということは肉体の死後の世界も考えているわけですから思えばいつも死と隣り合わせだったわけです。自分には根本の救いがあるからむしろよかったと思いました。今までの人生に感謝したんです。もちろん、反省することもありますが、その時その時、精一杯一生懸命、限界で頑張って生きてきたよな、と。信仰もって生きてきてよかった。後は残された時間で義を積むことだけだって吹っ切れた感じでした。

―抗がん剤の治療に関してもやるだけだ!という思いでしたか?

そうですね。治療もやるしかないから頑張ってやろう!それだけだ、と。年齢が比較的若くもあったので、がんが見つかってから手術まで1カ月というスピード対応をしていただき本当に感謝でした。その間に5キロ以上痩せて一人では動けなくなったことや、いよいよ手術前日というときに発熱して感染症の疑いがあれば手術できない状況になるなど最後までハラハラしましたが心はすっきりしていました。(感染症の問題も息子が入院前に突発性発疹になり、入院前日に感染症の検査を家族全員でしていて陰性だったのでクリアできました)教会の皆さんにもお祈りしてもらったり、実際に生活のサポートなどもしてもらったりとたくさん支えていただきました。だから、手術室に入ったときはもう、感無量でしたね笑)

―術後の経過も順調だったんですね。

はい。立てるようになってからは早く元気になろうと病院を歩き回っていました。13階の病室から1階まで昇り降りしたり笑)。私はおしゃべりなので看護師さんや同じ病棟のおばあさんたちにも元気でずいぶん前向きだねと驚かれたりもしました。

―病棟でも光を放っていたわけですね。さすがです。

大変な病気で入院されている人が多い中、自分も大病だったわけですが、吹っ切れていたので。自然と前向きな姿でいられたのだと思います。そして、退院する前日、感謝の決心のお祈りをしていると担当の医師が来て切り取った部分の病理検査の結果を伝えてくれました。覚悟はしていましたが、結果、がんのステージは1…。

―ステージ3の見込みがあって、リンパにも転移しているだろうと言われていたのにですか?!

はい。術前の検査では幸い他の臓器への転移は見つかりませんでしたが、腫瘍部位の腫れや大きさ、リンパに腫れが見られたことから、医師はステージ3の見立てで治療計画を立ててくださっていました。ですから、私も当然手術後は抗がん剤治療が始まるだろうと覚悟をしていました。しかし、結果はステージ1。リンパ節への転移もなく、ただの炎症による腫れだったことがわかり、普通ではありえないと医師も驚く状況で。結果、抗がん剤治療もなく、経過観察ということで退院できました。

―まさに信仰と愛の回復による奇跡のドラマですね。ご主人との絆もこの件をきっかけに強まったんですよね。

結婚して8年の間、私自身子どもたちのことで頭がいっぱいでしたが、今回のことを通して、改めて自分自身に向かう神様の愛と、神様が与えてくださった一番の愛すべき存在が主人だったことに気が付きました。主人も、私を失うということに向き合った時に、神様が自分を最も近くで受け入れてくれる存在として私というパートナーを送ってくださったのだと気づいて、互いへの信頼と愛を、神様をつなぎ目にして再びはっきりと結んだような感覚です。また、主人は私が入院等で不在の間に、子どもたちとも向き合い、子どもたちと共にこの件を乗り越えたことで絆が一層深まりました。お互いの価値に気づくきっかけを与えてもらって感謝ですし、神様との愛の回復、結婚している自分にとっては相手との愛の回復が家庭の回復に繋がったと感じています。

―今回はさまざまな貴重なお話をありがとうございました!真理が人を自由にし、愛の回復が自分も周りも生きることにつながることの大切さを教えていただく時間となりました。今後も健康で、飾らない姿の神戸さんでいてください。ご家族の皆さんのさらなるご発展とご活躍も期待しています!!

悩める院生時代の研究室での一幕。研究室を辞めたのち、結婚後に、当時研究し残していった研究成果が指導教授と連名で「G3:Genes,Genomes,Genetics」に掲載されたという。
思いを注いだ研究分野でも爪痕を残した。
個性のそれぞれ異なる3人の息子の母として、育児に大忙し。その傍らで今期は幼稚園のPTA会長に。
就任式では名スピーチを披露し、涙ぐむ保護者もいたという。納得。
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