主の栄光教会ってどんな教会なんだろう?その答えは、教会に通う一人ひとりにあると考えます。教会を作っているのは、教会に通う一人ひとり。だからメンバーを知れば、その姿が浮かび上がってくるはずだと、連載コラムがスタートしました。教会の掲げるミッションとしてのSMART(Social・Motivative・ART)。そんなスマートな人たちの魅力に迫ります。
高校生からサッカーを始め、恵まれた抜群の運動神経と勝負強さを以って、なでしこリーグで10年間プレーし、現役引退後はトップチームのコーチも経験。何かをやる時は0(ゼロ)か100といった振れ幅の大きさの裏には、「できていない自分に耐えられないから」という完璧主義な一面もかつてはあったという。今回は、自身に厳しい強靭さに加え、実はとっても平和を愛してやまない草食動物のようなアスリートメンバーの登場です
File.033 まきさん(会社員・30代)
今はサッカーですが、神様の御心が成されれば何でもいいと思っています笑)
―聖書との出合いは、ここ3~4年とのことですが、職場の同僚を通してとお聞きしました。
はい。そうです。同じ職場で同じ業務をする中で、悩んでいる私をとても気にかけてくれる同僚がいまして。食事しながら話している時に聖書の話になり、実はその時、自分の人生を振り返って「何もない」と、無力感や空虚さを感じていた時で。自分自身に諦めというか限界を感じてなんの希望も持てず、こんな人生が続くならば一回死んだ方がましじゃないかと密かに思っていた時でした。そんなタイミングで「よかったら(聖書を)学んでみませんか?」と言われ、文字通り藁にもすがる思いと何も聞かずに断るのはフェアではないと思い、コロナ禍でもあったのでオンラインで学ぶことになったんです。
―いわゆる「時」だったんですかね。神様に出会う時が人それぞれあるかと思いますが、まきさんの「時」だったのかと。
そうだと思います。実は高校からサッカーを始めたこともあり、なでしこリーグのチームでプレーしている時も、始めたのが遅い自分と他の選手を比較するなど自己肯定感が低いところがあったんですよ。「自分なんて…」と思うこともしばしば。だから、そういう自分を認められない点や、足りなさを感じている自分にとって聖書の言葉は響くものがありました。

―なんと、意外ですね! 高校から始めたサッカーでプロとして活躍されてきた時点でずいぶん素晴らしいと思いますが、自己肯定感が低かったんですね…。
聖書に出合った時は、現役引退後でコーチをしていた時でした。そしてさらに新たに発足する高校生年代のチーム監督を引き受けたのはいいが、自分のやってきたものを出すことや学んできたことをコーチとして伝えることはできても、チームの看板を背負ってチーム作りを担う監督となると負担に感じて、自分自身に限界を感じていた時でした。教えることを究めてゆくことは厳しいなと思ったんです。
―なるほど。選手からコーチそしてさらに監督というステップの転換期に聖書との出合いがあったんですね。ちなみに、プロとして活躍されたのは、大学卒業後だったんでしょうか?どのような経緯でプロの道へ?
まず、東三河地域の女子サッカー部のある高校に入りました。それも小学生時代に1年だけ地域のサッカー教室に参加していた時、友達と女子サッカー部のある高校に一緒に行こうと約束していたこと、中学校の時やっていたバスケットボールよりも競技人口が少ないサッカーだったらもっと目立てるかなと笑)、サッカーの道へ。そして高校時代には愛知県で力をつけていた中高生を中心にしたクラブチームにスカウトされ、大学は一般入試で入学しましたが、そのチームに所属してサッカーを続けました。そして県代表としても予選を奇跡的に勝ち抜いて本国体へ出場。初戦で日本でもトップクラスの埼玉県と対戦した際に、自分が得点を決め、戦える手応えを感じたのと、強い相手と対戦する面白さに感化され、24歳の時になでしこリーグチームに所属することに。日本のトップリーグ(※)チームでのプレーは三重県、岡山県、愛知県の計10年になります。
(※)2021年9月にWeリーグが開幕して以降、Weリーグが日本初のプロサッカーリーグとなる。現在は、Weリーグ→なでしこリーグ1部・2部→地域リーグという組織体系。
Weリーグ発足前は、なでしこリーグがトップリーグとなる。

―トップリーグでのプレーと言っても働きながらの選手生活だったんですよね?
そうです。週5日は普通に仕事をして、週6日で練習の日々です。もちろん、サッカーに集中できるように仕事内容は配慮いただくことはありますが、サッカーだけをやっていたプロ生活ではなかったですね。女子代表の2011年ワールドカップ優勝以降は女子サッカーに対しても条件がよくなってきてはいますが、男子ほどの認知度や環境設備もまだまだだと思います。
―そうして、現役引退後はコーチを4年ほどされた後、現在は福祉系の仕事をされながら教会でのサッカー活動や世界のCGMサッカーチームとの交流もされるなど、お忙しいそうですね。信仰を持つようになってからのご自身とそれ以前での変化はどのようなものがありますか?
オフの時の時間と自分自身の使い方が全く違います。とにかく、以前は仕事の拘束から解かれると、だらだらとしていたんです笑)。有益に時間を使いたいと思ってもなかなかできず…。でも、信仰をもつようになって生活全体が(神様との)愛の生活で、無駄がない笑)。生活の中で祈ることから、教会のメンバーとごはんを食べながら対話すること、サッカーをしている時も神様を中心にしたものなので、無駄なことが一つもないわけです。サッカーもこれまでは試合に勝つことが目的であり、勝つために自分が役立つことを考えて動きますが、平和サッカー(※)では、相手に点を入れられても相手のために喜ぶようなサッカーですから、驚きです笑)。
(※)キリスト教福音宣教会(CGM)が行う平和を目的としたサッカーを指す。

―いや~。プロとしてのレベルから見ますと、教会のサッカーではそれこそ初心者の方も多いわけですが、その点はいかがですか?
日本のCGMでは早くから女子サッカーを始めていたことが大きいと思います。初心者でも少しずつ少しずつ、サッカー経験者やそうでない人も平和サッカーをし続けてきたことが積み重なって、自分のような選手も(神様の世界へ)導かれるようになったと思います。技術の習得はすぐにできるものではないですが、続けてきた土台の上に成せる平和サッカーがあります。実際に教会メンバーとのサッカーを経験してみると、愛に溢れるチームの様子がまさに愛の理想世界なので、その喜びや幸せを実感すると、そこから離れたくない!!と強く思いますよ笑)!聖書の御言葉を、サッカーを通して実践する姿に嘘はないですから。
―おお。平和サッカーでしか得られないものがありそうですね。
その通りです!確かに技術としてはこれから磨くべきものがあるかと思いますし、磨いた技術を発揮して見せることも重要だと思います。しかし、得点を決める人だけがすごい、自分が輝いていればよい、のではなく11人皆が大事だと思っていた自分としては、平和サッカーを通して感じられるものは大きいですね。自分は、いわゆるプロとしての技術を磨いてきましたが、サッカーというものに対する執着はそこまでないです。今では神様の御心が成されれば何でもいいと思っています笑)。サッカーというものを通して、厳密にいえば平和サッカーを通して神様が伝えてくださる愛や喜びを自分が受けた分、伝えていければよいと思っています。

―聖書を通して学んだことが実体として、(平和)サッカーを通して感じられるわけですね。
私は昔から「やればできる」という言葉が好きでした。でも、内向的な自分が頭をもたげてきて「無理無理…」とやれないことも多くありました。今では、御心ならばやってみようと思えるようになり、しかもやってみたら本当にできるので、自分ではそこまでできないでしょう、と思えるようなことでも挑戦してみようとやれるようになりました。海外でサッカークリニック(※)のコーチをするなど、今までの自分では考えられないです笑)。神様の御言葉通りにやれば、本当にその通りになるので、(神様を)信じるのがやめられないです笑)。
(※)サッカー教室のこと。主にはサッカーの技術指導を行う。

―あらー、信仰に溺れていますね笑)!!まあ、神様の働きを実感したらそうなりますよね~!
本当に笑)!もちろん、至って冷静な自分ですよ。何か盲目的に思い込んでいるわけでもなく、実感しているからそう思うだけなので。実感といえば、物心ついた頃から、自分の心や考え、もっというならば自分の中の自分といえる、奥深いところにある自分自身に、ヘドロのようなものが取り巻いていてまとわりついているような嫌な感覚がずっとあったのですが、聖書を学ぶようになって今では全くその感覚がなくなってスッキリ解き放たれたというものもあります。「こうあるべき」といった自由に生きようとすることを邪魔する、負の働きすべてから解かれたこととが大きいのかなと思います。
―はっきりとした感覚は疑いようがないですね。
はい。この感覚を忘れずに、これからも神様の世界から離れずにいきたいと思っています。
貴重なお話をありがとうございました。これからも、神様の愛、そして平和をサッカーのみならず、御心の中でのさまざまな挑戦を通して伝えてゆかれることを応援しています!!サッカーやりたくなりました。とっても余談ですが、私の幼稚園の頃の夢が実は…、サッカー選手だったんです!!!こんなところで告白することになるとは思いませんでした…笑)!

ここ最近、台湾のCGMメンバーへのサッカー指導へと招待されたまきさん。台湾ではとっても恵みに満ちた時間だったとのこと。今後も世界を舞台に、いや、神様の大きな御心の無限の舞台で活躍されてください!!


インタビュー後は、教会のメンバーとサッカーの練習に。練習メニューは、メンバー全員で意見を出し合って決めている。