主の栄光教会ってどんな教会なんだろう? その答えは、教会に通う一人ひとりにあると考えます。教会を作っているのは、教会に通う一人ひとり。だからメンバーを知れば、その姿が浮かび上がってくるはずだと、連載コラムがスタートしました。教会の掲げるミッションとしてのSmart(Social・Motivative・ART)。そんなスマートな人たちの魅力に迫ります。
File.003 鈴木いづみさん(30代・医療従事者・仮名)
人が元々もっている大事なもの、変わらないものに時間を投資していきたい。
―教会へ通うようになったのは自ら門をたたいたことがきっかけとか?
はい。文字通り、教会の門をたたいて、聖書を学びたいと。そもそも小学生の頃から年間100冊は本を読んでいました。その中で聖句を引用している本が多く、印象的だったんですよ。そこで、中学生の頃には「聖書はいいものだ」と思い、いつか学んでみたいなと。
―古典から学ぶことは多いですが、聖書から学ぶことは多いですよね。
そうですね。でも聖書そのものが言っていることは難しくて…。哲学書でも3回ほど読めば何が言いたいのか大まかな内容を理解することはできますが、聖書はさっぱり。自分一人で読むだけでは限界を感じましたね。そして、大学1~2年生はそれなりに遊んで楽しかったんですけど、もういいかなって思うようにもなって。それで、もともと学びたかった聖書を学ぼうと、大学3年生の時に教会の門を文字通りたたいたわけです。当時の家の近くの教会で、日曜日の礼拝に参加したりしました。ただ、しばらく通っていても、すっきり疑問が解けないところもあって。就職して社会人になってから、今の教会に通うようになりました。
―最初の教会から変わって別の教会に通うようになったわけですね。
はい。最初の教会も日曜日の礼拝の雰囲気もよかったですし、学ぶことも多かったです。が、今の教会では知りたかった聖書の御言葉が深く心に入ってきました。教会には大学生など若い人も多く、「難解な聖書をこんな若い人たちがわかるんだろうか…」といぶかしい思いもあったんですが笑)、御言葉(聖書の教え)がよかった。
―御言葉への確信があった感じですか?
はい。私は中途半端なことが嫌いで、人生においては選択が大事だと思っています。曖昧なものからは曖昧なものしか得られない、と。だから、選択を明確にして投資すべきものに投資をしてこそ明確な結果が得られると思っています。今の教会も3カ月で投資すべきかを判断して選択しようと心に決めて、現在に至ります。つまり、自分として投資すべきだと明確に選択した結果ということですね。
―お仕事の話にも触れたいのですが、人生の選択の過程で今のお仕事もあるかと思います。保健師として活躍されていますが、このコロナ禍ではとてもお忙しかったですよね。
日本でコロナが最初に確認されたのは2020年の1月。それから国中が混乱状態の中、2020年の2~3月の2カ月間が本当にきつかったですね。コロナ対応の専属になったこともあり、この2カ月は国の方針も毎日変わる中での対応という激動の日々でした。私は基本的には性善説を信じていますが、人が不安や心配を抱えるとこうなってしまうのかと人の暗い部分を目の当たりにしましたね…。報道に惑わされ、煽られ、不安や怒りに駆られた方々からのいわゆる苦情の嵐。4月からは、保健所の実態や医療従事者への報道がなされてきて、感謝の流れになったのですが、それまでは心身共に大変でした。
―そんな状況では心くじかれそうですね。
はい、本当に。でも「時計のように生きなさい」と昔、説教の中で聞いたことを思い出してその言葉で乗り切れました。信じられない状況の中、常に見えない剣が飛んでくるような状況でしたが、変わらずにやるべきことをやるだけだと。自分の基本的な生活を維持しながら、一つひとつを大事にする。日常を維持できるようにしてくれる神様の働きを感じたんです。
―いわゆる“奇跡”的なことで神様を感じることもありますが、こうした日常を維持できることで神様を感じることも大きいですね。
何か特別なものというよりは、絶対的な神様の愛の保護の中に自分がいるという安心感がありました。ああ、時間をかけて自分に信仰が根付いたんだなと感じるきっかけにもなりました。何があっても根本が揺れない自分の成長を感じましたし。この逃げたい状況は過酷だし、正直逃げたいけれど、大丈夫だと心の底から思えたんです。
―今のお仕事の過酷な状況を通して、時間をかけてご自分の成長を再確認されたわけですが、お仕事でどのような点にやりがいを感じますか?
そうですね。人のもともと持っている根本的なところや大事にするものって古来からなんだかんだ言って変わらないと思います。なので、今の仕事を選んだのは、人が大事に思う変わらない生活や健康に関わるから。生活という日々の営みの中で人と関わり、その人の人生が変わる瞬間に立ち会える時、喜びが大きいです。変わらないものに時間を投資する中で、人が良く変わっていくのを共に体験できるのがこの仕事のやりがいといえると思います。また、自分とはタイプの異なる様々な多世代の方たちとの交流がありますが、そこから特に学ぶことが多いし感じるものが多いですね。
―人生において、大事なものを見つけられたんですね。
人々の生活に寄り添いたいと思うと同時に、一度きりの人生、自分の人生をかけて多くのものを見て、何かを作り出したいという思いもあります。なので、家庭を持つ人生も大事ですが、私は家庭を持たない選択もありだと思っています。実は、私は結婚願望が強い方だったんですが笑)。それは早くに父を亡くした経験から家族の安らぎが欲しかったからというのもあります。しかし、自分が聖書を通して神様に出会い、成長する過程でこうあるべきという固定観念がなくなり、自らやすらぎを作り出せるようになったことも大きいですね。コロナ禍で世界は一変し、常識と思っていたものが崩れ、当たり前だと思われていたものの本質が見直されるようになりました。だからこの期間を通しても自分にじっくりと目を向けて投資すべきものが明確に見えてきたというのもあるかもしれません。
―生活という変わらない日常の中で出会う様々な人を通して、今後も人生をかけて成し遂げるべきことを成し遂げてゆかれる姿が目に浮かびます。
自分の力では成せない化学反応のような経験が好きです。仕事を通してや、生活の中での出会い一つひとつ誠実に向き合っていきたいと思っています。
―人との出会い、また様々なものや出来事との出合いはまさに、神様の領域ですよね。
好奇心が強いので、これからも神様からの出会い(出合い)のプレゼントに大いに期待します!笑)