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教会建築物語_エピソード3

これは、主の栄光教会の建物建築・改修に中心となって携わる、ココロ熱きエレガントワラビーが教会建築ヒストリーをナビゲートするコラムです。
建物の購入後、現在の意匠を完成させるまでのドラマの数々をお届けします。

ナビゲーターのカミュウさん

エピソード3:板挟みを乗り越えて

教会の建物を改修して作り上げていく過程は、もちろん1人ではできません。多くの、また実にさまざまな人たちが関わっています。かくいう、わたくしカミュウが最も大変だったことといえば、“意思疎通”という言葉に尽きる気がします。やはり何事においても人と人が関わって何かを作り出すとき、神様を知る人たち同士もそうですが、知らない人たちとも意思疎通をする難しさ、大切さを感じます。今回はカミュウのもがきと成長のお話です。


教会建物の改修にあたってわたくしの役割としては、教会側と施工業者側の調整役(設計)でした。教会の意見を受け、その実現のためにどうすべきかを考えて確認し、教会としてのGOサインが出てから図面に落として業者に伝えるのです。そう、過ぎてしまえばすべてが経緯となって勉強にもなり、感謝しかないのは事実です。が、渦中はもがきの連続でした…。

教会側の意見をまとめる…、これが意外と(?)大変です。一人ひとりは神様を思い、祈りながら意見をします。しかし、作り上げる過程は選択の連続。何を優先して選択すべきか、神様の御心やいかに…といった決定を年齢や立場も異なる男女混合のコアメンバー数名で議論するのです。また、各自の仕事の状況や生活サイクルなどを考えると顔を合わせてのミーティング自体も至難の業。理系で冷静、普段は心穏やかな気質のわたくしカミュウですが、お互いの本意が伝わり切れていないことへのもどかしさにストレスを感じたこと幾たびか。

そして、教会側の構想を実現するためには、金銭面、法律面、実際の施工実現の可否など多方面での調整と確認が必要となり、実現のために文字通り、奔走しました。要望の変更のたびに図面の修正、工程管理の調整、見積もりの修正を繰り返すのも業者側にとっては負担以外の何ものでもない…。が、よりよいものを求める教会側の意向変更にはそれこそ変更がありません。もちろん、こうしたやり取りは、建築やそのほかのクリエイティブの現場ではクライアントと制作会社との関係ではどうしても起こりうることですが、教会の建築ともなると、信仰をもつ自分を始め、関わっているメンバー全員が、いわゆるビジネスライクで割り切れないところがあります。心に何かひっかかることがありながら、神様の場所を整えていくことはできません。

そうして仕事から帰ってきては夜な夜な図面を書く日々。でもそれは苦ではなく、むしろ各種の調整をする中で、気づけば涙することも…。

 また、教会のメンバーではない施工業者側の父とのやり取りも苦労しました。仕事のお昼休みや仕事後には父から数件の相談メールがきていましたが、何を言っているのかわからないと甘えるわけにはいきません。父であったとしても業者とのやり取りにおいて、経験が少ないから、などの言い訳が通用するわけありません。よって、父が何を言おうとしていたのか仕事後に図面や写真、時には実際に現場を見て、専門用語や一般常識を調べて理解する。必要ならば父に電話をして確認する、そして教会のメンバーに理解できるように写真を入手し、図面を拡大するなど資料を用意して解説し、確認する。作業が少しでも早く進められるように、皆の回答を朝一でメールする…。これが工事開始から毎日のルーティンでした。

自分は建築士といっても経験が少なく、わからないことばかりだったこともあり、しなくてよい苦労をしたかもしれません。が、調整役の自分がストップして、神様の御心が成されないということはしたくない、なんとしても教会建築を成功させたいという思いがあり、思いだけは一番という自信に突き動かされて調整役の苦労も乗り越えられました。

この時の経験は、もがきではありますが、わたくしカミュウにとっても必要な経験だったと思います。この経験を通して得た思いが今もなお全てを乗り越えられる力になっているのですから。

 今回は「教会建築物語」を語る上で外せない、わたくしカミュウの内面的なもがきにフォーカスしたお話となりましたね。でもそんな過程もあっての教会建築だったのです。時には、理解しがたいもがきや苦労があったとしても、越えられない試練を与えることはなさらない神様だと感じます。

現在は2階のゲストルームとなった、工事当初のミーティング室。
工事が夏だったため、冷房もなくミーティング時はとても暑かった思い出が。(工事する方々ははもっと暑いのですが…)
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