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教会建築物語_エピソード4

これは、主の栄光教会の建物建築・改修に中心となって携わる、ココロ熱きエレガントワラビーが教会建築ヒストリーをナビゲートするコラムです。
建物の購入後、現在の意匠を完成させるまでのドラマの数々をお届けします。

ナビゲーターのカミュウさん

エピソード4:ニッチな意匠に、ほくそ笑む

教会はさまざまな才能をもつ人であふれています。日ごろの教会生活でも“裏方”として大活躍中のリスザルのマシュウさん(勝手にわたくしカミュウの方で名付けてしまいました)もその一人。今回は、教会の改修にあたって、とても複雑で苦労した「電気配線工事」についてのお話です。

その前に、仲間であるマシュウさんのご紹介を簡単に。わたくしカミュウの後輩にあたる彼は、一言でいうと「器用な存在」。地頭のいい理系男子ですが、教会では主に音響や通信関係を一手に引き受けています。教会改修の電気配線工事の際には、日中は仕事、朝夕の教会の通常業務(?)以外の隙間時間で、東京の専門家からアドバイスをもらい、試行錯誤して自ら器具の選定をし、配線ルートまで考えてくれました。
はい、仕事は電気関係の業種ではないのですが、本当に器用で高いレベルで仕事のできるリスザルのマシュウさんです。

とても器用なリスザルのマシュウさん。
音響や通信関係を一手に引き受けています。

さてさて。全国、いや全世界のどこでも神様の御言葉を聞けるためにも、ネットワーク環境というのは非常に重要です。そのため、メインホールのネットワーク環境と、各階の連携が重要となってきます。どの部屋でも映像や音がよくなるために、工夫を要しました。

天井裏や床下には、照明やコンセントの電気配線だけではなく、音響、通信、マイク、映像、防犯カメラなどの大量の配線が通ることになります。これを、マシュウさん一人だけでは考えられないということで、改修工事の総括者と、照明担当者、電気設備士、そしてわたくしカミュウといった教会メンバーの各責任者で、平日の夜、仕事後に名古屋駅のとある飲食店で食事をしながら22時過ぎまでミーティングを行ないました。

そうした議論を経て、個人的に大変だったのは3階壇上の配線の「穴」を変更することでした。壇上の下に配線を通すためには、床等に穴をあけないといけなかったのですが、改修工事がだいぶ進んだところで気づいてしまったのです。そもそもどこに穴をつけるのかケーブルを通すイメージ図を作らねばならなかったのですが、すでにほかの部分でも図面にない部分で何度も変更をお願いし、施工業者さんにも負担を与えている状況でしたので、わたくしカミュウとしては図面を示してほしいと何度も言われてきた手前、この変更を今更申し出るには、かなり負担を感じてしまったのです…。

さまざまに考えあぐねて、祈りつつ意を決してカミュウ父に連絡してみたところ…。思いのほか機嫌のよい反応で、変更もそこまで負担ではないとのこと。よかった。でも、電話の後にまた、つぅ~と頬をつたう涙が。安堵の気持ちももちろんありましたが、板挟みの苦労が涙となって溢れてしましました。しかし、祈って感謝しかないと我に返って気持ちを持ちなおし、再スタートです。

穴をあけるためには、ネットワーク環境のことだけを考えるだけではなく、タイル仕上げにするならば、タイルの規格寸法、穴のあけ方、穴に蓋をつけるか、などの検討が必要ですし、長尺シート仕上げにするならば、段鼻の見た目や、一段目と二段目で仕上げ方法を変えるかなどの検討が必要になります。つまり、デザイン、機能性、施工方法、それに伴う金額や工期などの多岐にわたる検討が必要になるわけです。たかが穴一つではなく、されど穴一つ。

そうして…、あらゆる過程を経て「穴」は完成しました。

この「穴」を見るたびに、わたくしカミュウは1人で感極まります笑)そして思わず、にやりとします。

「穴」の完成後、短期間で2階と3階のネットワーク環境を整えねばなりませんでしたが、マシュウさんやその他関係者の方々のご尽力で環境を整え、現在に至るまで問題なく礼拝を守ることができています。

 伝道の書4章12節に「三つよりの綱はたやすくは切れない」(口語訳)とあります。まさに、一人では弱いですが、各個性や能力の価値をお互い認め合って、主の元で集結させると強い。そうして一つのものを作り上げる喜びに、今日もわたくしカミュウはほくそ笑みます。

3階 壇上全体像
壇上の「穴」
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